COP27で何を議論? 温室ガス削減、計画決定へ―ニュースQ&A
2022年11月11日15時16分
【シャルムエルシェイク時事】エジプト・シャルムエルシェイクで18日までの日程で、地球温暖化対策を議論する国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が開かれている。昨年のCOP26では、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の運用ルールが決まり、各国の温室効果ガス削減は実行段階に移った。今回は2030年に向け、実効性ある排出量削減計画を採択できるかが焦点で、15日からの閣僚級会合で交渉が本格化する。
―COP(コップ)とは。
英語の「Conference of the Parties」(締約国会議)の略。国連の気候変動枠組み条約を結ぶ国・地域が毎年集まる会議で、今回は27回目だからCOP27だ。
―パリ協定とは。
20年以降の温室ガス排出削減に関する国際的な枠組みで、15年にパリでのCOP21で決まった。気温上昇を産業革命以前から2度未満とし、1.5度に抑えるために努力する内容だ。発展途上国を含む全参加国はそれぞれ温室ガス削減目標を掲げる必要がある。昨年のCOP26で、目標は事実上、1.5度に強化された。
―COP27のテーマは。
各国の削減目標の中には、達成しても1.5度の目標に届かないものがある。国別のエネルギー起源の二酸化炭素(CO2)排出量で、1位の中国や3位のインドなど主要排出国は努力を求められそうだ。ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機の影響がある中、世界が一体となって温室ガス削減継続を確認する機会にもなるだろう。
―ウクライナ問題がどう関係するの。
産油国ロシアがウクライナに侵攻したことで、安定供給が滞る懸念から原油価格が高騰した。他のエネルギー資源の価格も上がる中、相対的に安い石炭火力発電に回帰する動きがある。ただ、石炭は他の化石燃料と比べてCO2排出量が多く、脱炭素の流れに逆行するんだ。
―他にポイントは。
議長国のエジプトは発展途上国の代表として成果を出したいと思っている。途上国は豪雨や干ばつなど気候変動の影響を受けやすく、7日の首脳級会合でもインド洋の島国セーシェルのラムカラワン大統領が「島が消えていっている」と訴えた。途上国はこうした「損失と被害」について補償を求める立場だ。今回のCOPで初めて正式議題になったが、先進国側は資金提供に消極的で、成果が得られるかは未知数だ。