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空港・港湾活用で省庁協議会 防衛力強化へ体制整備

2022年11月02日07時05分

「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」であいさつする岸田文雄首相(中央)=10月20日、首相官邸

「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」であいさつする岸田文雄首相(中央)=10月20日、首相官邸

 政府は、都道府県などが所管する民間空港や港湾を自衛隊が平時からより活用できるようにするため、防衛省や国土交通省、内閣府で構成する省庁横断型の協議会を発足させる方針を固めた。有事を見据え、訓練の利用許可を取りやすくし、国主導による滑走路や岸壁の施設整備にもつなげたい考え。年末の国家安全保障戦略など関連3文書改定を踏まえて設置する。政府関係者が1日、明らかにした。

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 防衛省によると、平時に自衛隊が民間空港や港湾を利用する際、事前に立地自治体や関係団体の許可が必要になる。これについて国交省幹部は「港湾管理者は都道府県などの地方公共団体。国なら利用が許可される状況でも、(地元事情による)政治判断などから断られるケースも多かった」と話す。
 10月20日に開かれた防衛力の抜本強化を議論する有識者会議でも、「公共の港や空港に、なかなか自衛隊がアクセスさせてもらえない」「自衛隊の港湾、空港使用について抵抗感のある自治体もある」と見直しを求める声が上がっていた。
 中国の海洋進出への対応でも民間空港が活用できるかどうかは重要になるとみられる。沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺地域で自衛隊が使える飛行場は、現状では航空自衛隊那覇基地(那覇市)のみ。より近隣に下地島空港(同県宮古島市)があるものの、民間航空以外は使用しないことを約束した「覚書」によって、自衛隊の利用は認められていない。
 防衛省は、尖閣を含む先島諸島での輸送体制の強化を急いでいる。有識者会議で、防衛相は「民間インフラは平素から柔軟に利用できることが重要で、関係省庁や団体にご協力いただきたい」と強調。その上で、下地島空港を念頭に「輸送手段が限られる先島諸島には、部隊運用上の有用性が高いものもある」として、機能強化に意欲を示した。

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