直前に多数の危険通報 警察対応を捜査へ―死者156人に・韓国雑踏事故
2022年11月01日12時35分
【ソウル時事】韓国の尹熙根警察庁長官は1日、ソウルの繁華街、梨泰院で起きた大規模雑踏事故に関し記者会見し、事故直前に、群衆が集まり危険だと伝える警察への通報が多数あったと明らかにした。「通報を処理する現場の対応が至らなかった」と語り、「強力な監察、捜査を迅速に厳しく行う」と表明した。
「自発的密集」盲点に ハロウィーン、若者の人気過熱―韓国雑踏事故
一方、韓国のSBSテレビは10月31日、地元の竜山警察署情報課の警察官が事故の数日前に「今回のハロウィーンで予想を超える人が集まり、事故が起こる懸念がある」との報告書を提出していたと報じた。
新型コロナウイルス対策の行動制限が解除されたことを踏まえ、人出が増えることを予想していたという。内部の情報システムに登録されていたが、ソウル市警察庁が地元警察と協議して作成した警備計画に反映されず、大規模集会が行われた政府庁舎がある光化門などに多くの警察官が配置された。
尹錫悦大統領は1日の閣議で「類似の事故を根本的に防止できる方法を整備すべきだ」と強調。日米中を含め各国の首脳から哀悼のメッセージが寄せられたことに触れ「国民を代表して深く感謝する」と述べた。
1日の政府の発表によると、事故による死者は156人、負傷者は151人となった。死者のうち女性が101人、20代が104人を占めている。