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群衆雪崩の可能性指摘 「過密避けて」と専門家―韓国雑踏事故

2022年11月01日08時56分

梨泰院の雑踏事故現場で活動する警察や医療関係者=10月29日、ソウル(AFP時事)

梨泰院の雑踏事故現場で活動する警察や医療関係者=10月29日、ソウル(AFP時事)

 韓国・ソウルの繁華街で起きた雑踏事故について、専門家は現場の状況などから大勢が密集して倒れる「群衆雪崩」が起きた可能性があると指摘する。人が多く集まるイベントなどでは、過密が予想される空間を避け、人混みでは前の人と隙間を空けるよう呼び掛けている。

【写真】事故直前、大勢が集まったソウルの繁華街、梨泰院の路地

 日本大の福田充教授(危機管理学)は「現場は非常に狭い一本道で、左右に抜ける道が少ない。立った状態で圧死した人もいたとの一部報道も踏まえると群衆雪崩による事故の可能性がある」と話した。ハロウィーンで人が殺到する一方で、危険を回避するための街と警察の情報共有が不足していたとして問題点も挙げた。
 日本では、群衆雪崩が起きた2001年の明石歩道橋事故以降、自治体や警察、イベント主催者による警備対策が進んできたと指摘。ただ、災害時に人が建物の出口へ殺到するケースなど、「群衆が自然発生し、同様の事故が起こる可能性はゼロではない」と警鐘を鳴らす。防止するためには「つまずかないよう、少なくとも前の人と50センチほどの隙間を空け、自分の足元が見えるように歩いてほしい」と述べた。
 東京大大学院の広井悠教授(都市防災)は「地図を見る限り、非常に狭い道路で並行する道も少なく、多くの人が流入した可能性がある」と分析した。1平方メートルに10人以上が集まると、胸が圧迫されて失神し、円や楕円(だえん)の形に人が倒れる群衆雪崩が起こることがあるとし、「人が集まる場所はリスクだと認識することが大事だ。特に子どもや高齢者は雑踏事故に巻き込まれやすいので、過密が予想される空間には近づかず、現場でも誘導の指示に従ってほしい」と語った。

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