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プーチン氏、核の緊張トーン下げる 「汚い爆弾」情報戦に失敗

2022年10月29日07時18分

27日、モスクワの「バルダイ会議」に臨むロシアのプーチン大統領(EPA時事)

27日、モスクワの「バルダイ会議」に臨むロシアのプーチン大統領(EPA時事)

  • ロシアのショイグ国防相=9月21日、モスクワ(ロシア国防省提供の動画より)(EPA時事)

 ロシアのプーチン大統領は27日、核兵器を巡って持論を展開した。ウクライナで使われると訴えてきた放射性物質をまき散らす「」について「(ロシアが使う)必要はない」と発言。緊張をあおる作戦が不発に終わるとみるや、トーンダウンを図った可能性がある。

ウクライナで「汚い爆弾」使用計画? ロシア主張―ニュースQ&A

 ウクライナの信用を失墜させ、欧米に支援の再考を促すことを狙った情報戦は事実上失敗。国際社会でのロシアへの不信感がむしろ強まった形だ。
 プーチン氏がロシア専門家の「バルダイ会議」で語ったところでは、による挑発は「ウクライナがミサイルに使用済み核燃料を入れ、ロシアの攻撃と訴える」内容。当初は真偽不明の報道が根拠だったが、この日は「特務機関の情報」と説明した。「各国に電話で知らせるようショイグ国防相に命じたのは私だ」と認めた。
 ただ、電話会談や国連安保理で取り合ってもらえなかった。ロシア外務省が、ウクライナのに関してツイッターで示した「証拠写真」も、スロベニア政府に自国で撮影された煙感知器だと反論された。
 プーチン氏は、ロシアのの使用は「政治的、軍事的にも意味がない」と指摘し、ウクライナの脅威は唱えつつもトーンを下げた。
 一方、自身がウクライナ侵攻に絡み「あらゆる兵器を使う」と警告してきた経緯に関しても「ロシアが核兵器のシナリオを率先して発信したことはない」と表明。緊張をあおるのは欧米だと責任転嫁を図った。
 欧米を非難する文脈では、広島と長崎への原爆投下にも言及。根拠を示さず「日本の教科書には連合国が落としたと書かれている」と主張し、米国のコントロールの成果だと述べた。

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