トラス英首相が辞任表明 就任1カ月半、経済失策で批判―月内に後継決定へ
2022年10月20日23時50分
【ロンドン時事】リズ・トラス英首相は20日、辞任する意向を表明した。市場の混乱を招いた経済政策と、その後の対応を巡って強い批判を浴び、野党に加え与党・保守党内からも辞任を求める圧力が高まっていた。トラス氏はジョンソン前首相の辞任に伴う保守党の党首選で勝利し、9月6日に首相に就任したばかり。後任選出まで首相職にとどまる予定だが、在任期間は英史上最短になる。
トラス氏は官邸前で声明を読み上げ、「私は不安定な経済と国際情勢の下で首相となった。こうした状況を変えるための職務を担っていたが、全うすることができなくなった」と説明した。既にチャールズ国王に辞意を伝達したという。
次期首相となる党首選出を担う保守党内の組織「1922委員会」のブレイディ委員長によると、党首選は今夏に数週間かけて行われたものと異なり、プロセスが簡略化されるもようで、今月28日までに結果が判明する見込み。後任候補には先の党首選でトラス氏と決選投票を争ったスナク元財務相のほか、ウォレス国防相らの名前が挙がっている。