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中傷投稿「いいね」、名誉侵害 伊藤さん逆転勝訴、杉田氏賠償―東京高裁

2022年10月20日17時39分

中傷投稿への「いいね」を巡る訴訟で逆転勝訴し、記者会見するジャーナリスト伊藤詩織さん=20日午後、東京都千代田区

中傷投稿への「いいね」を巡る訴訟で逆転勝訴し、記者会見するジャーナリスト伊藤詩織さん=20日午後、東京都千代田区

 ジャーナリストの伊藤詩織さん(33)が、ツイッター上で自身を中傷する投稿に「いいね」を押され、名誉を傷つけられたとして、自民党の杉田水脈衆院議員に220万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が20日、東京高裁であった。石井浩裁判長は「名誉感情を違法に侵害する意図の下で行った」と認め、請求を棄却した一審東京地裁判決を変更し、杉田氏に55万円の賠償を命じた。

伊藤さん性被害、判決確定 元TBS記者への名誉毀損も―最高裁

 元TBS男性記者から性被害を受けたとされる伊藤さんについて「売名行為」「虚言」などと中傷する25件のツイートに、杉田氏が「いいね」を押した行為が名誉を侵害するかが争われた。一審は「抽象的・多義的な表現行為」として違法と評価できないと判断した。
 石井裁判長は、「いいね」について「好意的・肯定的な感情を示したものと一般的に理解されている」と指摘した。その上で、杉田氏がテレビやブログで「落ち度のない強姦(ごうかん)事件と同列で並べられていることに女性として怒りを感じる」などと非難を繰り返していた経緯を踏まえ、同氏の「いいね」を「社会通念上許される限度を超える侮辱行為」と認定した。
 さらに、約11万人のフォロワーを持つ杉田氏の議員としての影響力を考慮し、「精神的苦痛は軽視し得ない」として慰謝料は50万円が相当とした。
 伊藤さんは判決後の記者会見で、「指先一つでできる簡単なアクションだが、押す前に誰かを傷つける言葉でないかを考えてほしい」と話した。杉田氏の事務所は「内容を精査して対応を検討する」とコメントした。

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