防衛力強化、既存施設活用を 空港・港湾の機能改善―財政審
2022年10月19日20時32分
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は19日の歳出改革部会で、インフラ関係予算などについて議論した。委員からは、防衛力強化に向け、防衛省施設以外の既存インフラを自衛隊が有効活用できるよう、空港や港湾などの機能を改善すべきだとの意見が出た。
財務省によると、日本の防衛施設整備を含めた公共投資の国内総生産(GDP)比は、2019年度で3.31%。米国、英国、ドイツ、フランスを上回るが、防衛施設整備のみの比率は0.03%で、これら4カ国を下回る。武力攻撃事態などの有事には、自衛隊や海上保安庁が特定の空港や港湾を優先利用できるよう首相が法律に基づいて要請できるが、平時の訓練などの場合は利用に関するルールがない。
こうした現状について、同省は「既存の公共インフラの活用が十分でない」とみている。ある委員は「(既存の)民生用の港湾や空港を追加で整備すれば、防衛や国民保護の目的で、より有効活用できる」と指摘した。
同日の部会では農林水産予算も議題に上り、財務省はウクライナ危機を踏まえて「食料安全保障の強化につながる施策かどうか、財源とセットで検討が必要だ」と主張した。コメ政策については「補助金頼みからの脱却」を訴えた。