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国連総長「制御不能」を警告 軍、北部で攻勢―エチオピア紛争

2022年10月18日13時32分

グテレス国連事務総長=8月18日、ウクライナ西部リビウ(AFP時事)

グテレス国連事務総長=8月18日、ウクライナ西部リビウ(AFP時事)

  • 【図解】エチオピア
  • エチオピアのアビー首相=9月13日、ナイロビ(AFP時事)
  • エチオピアの避難民たち=6月7日、北部アファール州(AFP時事)

 【アディスアベバAFP時事】エチオピアで2020年から泥沼化してきた紛争が戦闘激化の様相を見せている。グテレス国連事務総長は17日、情勢について「制御不能な事態へ悪化し続けている」と訴えた。北部ティグレ州奪回を狙うエチオピアのアビー政権は、隣国エリトリアの軍と手を組み、反政府勢力へ攻勢を強めている。

ティグレ州の戦闘再燃 AUなど「無条件停戦」要求―エチオピア

 18年のアビー政権誕生までエチオピアを支配し、エリトリアと対立を続けたティグレ人の反政府勢力「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」の拠点であるティグレ州を占領するため、アビー政権は州内各地の空港確保をもくろんでいる。エリトリアとの和平推進を評価され19年のノーベル平和賞を受賞したアビー首相は、エリトリアのイサイアス政権との関係は良好だ。
 グテレス氏は17日、記者団に対し「暴力と破壊が危機的レベルに達している」と厳しい認識を示した。アビー政権とTPLFに「敵対行為を今すぐやめなければならない」と求め、同時にエリトリア軍に対し「即時撤収」を要求した。
 欧州連合(EU)と米政府も、アフリカ連合(AU)が調停している即時・無条件停戦を双方が受け入れ、まず戦闘を停止するよう相次いで求めた。
 2年近く断続的に続いてきた戦闘で、200万人が家を失った。正確な統計はなく、死者数は分かっていない。戦闘は5カ月ほど小康状態を保っていたが、8月から再び交戦が伝えられるようになった。互いに相手が先に攻撃したと主張している。
 アビー政権は17日、声明を出し「AUが調停する和平交渉を通じ平和解決を目指してきた」と強調。しかし、エチオピアの国家主権と領土の一体性を守るため「防衛的な措置」はやむを得ないと弁明し、TPLFは「外国勢力」と結託していると非難した。その上で「空港をはじめ連邦政府の施設を直ちに取り戻すことが不可欠なのだ」と戦闘を正当化した。
 TPLFは16日、「即時停戦に応じる用意はある」と表明。アビー政権を交渉の席に戻すよう国際社会に要請した。17日のアビー政権の声明に対しては「ティグレ人虐殺のためなら何でもするというアビー政権とその仲間の意図がはっきり読み取れる」と批判した。

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