「反腐敗」立役者、引退か 習氏盟友の王岐山氏―中国
2022年10月18日07時11分
【北京時事】中国共産党の習近平総書記(国家主席)が進めてきた「反腐敗闘争」の立役者である王岐山国家副主席(74)が、任期満了となる来春に政界を引退するという観測が出ている。王氏は習氏の盟友で、権力基盤固めに貢献した。ただ、最近は両者の関係が変化しているとも指摘され、16日に行われた党大会の開幕式に王氏の姿はなかった。
王氏は青年期から習氏と親交があり、2012~17年の習政権1期目で党序列6位の中央規律検査委員会書記を務めた。汚職摘発で辣腕(らつわん)を振るい、習氏の政敵を次々と排除。5年前の前回党大会で「68歳定年」の慣例に従い7人の最高指導部メンバーから外れたものの、18年3月に国家副主席として表舞台に復帰。実質的な序列8位として公式行事に出席してきた。
王氏が党大会開幕式を欠席したのは、新型コロナウイルス対策の隔離期間中のためとみられている。王氏は12、13両日にカザフスタンで開かれた国際会議に出席。中国では外国からの帰国時に10日間の隔離が義務付けられており、習氏も9月の外遊後、動静が途絶えたことがある。22日までの党大会期間中に、王氏が公の場に姿を現すことはなさそうだ。
王氏の党大会欠席は、習政権における影響力の低下を示すものと受け止められている。今年1月、王氏の長年の側近が収賄罪で執行猶予付き死刑判決を受けた。今月8日には王氏の秘書だった前大手銀行トップに対し、重大な規律違反の疑いで党籍剥奪の処分が発表された。