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トヨタ、問われる監督責任 日野自不正、信頼回復が急務

2022年10月08日07時28分

データ不正問題で記者会見する日野自動車の小木曽聡社長=7日夜、東京都千代田区

データ不正問題で記者会見する日野自動車の小木曽聡社長=7日夜、東京都千代田区

  • データ不正問題の記者会見で頭を下げる日野自動車の小木曽聡社長=7日夜、東京都千代田区
  • データ不正問題で記者会見する日野自動車の小木曽聡社長=7日夜、東京都千代田区

 約20年間にわたる不正で信頼が失墜した日野自動車は、親会社のトヨタ自動車と再生に取り組む。7日に専務ら4人を事実上、更迭。生え抜きの取締役を一掃し、トヨタ出身の2人と社外取締役3人の計5人に絞った。トヨタから派遣された小木曽聡社長が留任して経営再建の陣頭指揮を執るが、日野自の企業統治を監視すべき親会社の監督責任も問われている。

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 小木曽社長は、記者会見で「社長以下、率先垂範で全社の改革を断行していく」と語り、事態の早期収拾へ自らが先頭に立つ必要性を強調した。しかし、企業統治に詳しい青山学院大の八田進二名誉教授は「今すぐ辞める必要はない」としつつも、「組織ぐるみの不正で、社長の責任は明らか。立て直しを見届けたら辞めるべきだ」と主張する。
 親会社の責任についてトヨタは、完全子会社ではないため監督には限界があるとの立場。一方、八田氏は「企業グループ全体の法令順守体制の中でトヨタも監督責任が問われる」と指摘し、人員を送り込むなどの支援策を講じる必要があるとの見解を示した。
 トヨタは7日、日野自の取り組みが実効性を伴うよう、「今後も協力を継続していく」とのコメントを発表した。ただ、ユーザーはもちろん、日野自に部品などを供給する取引先の不信感を払拭(ふっしょく)するのは容易ではない。八田氏は改革が中途半端に終われば、「自動車業界全体への不信感が高まる」と警鐘を鳴らしている。

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