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「ウクライナ疲れ」反映 イタリア総選挙

2022年09月26日20時32分

 【ローマ時事】イタリア初の女性首相に就任する可能性が高まった極右「イタリアの同胞(FDI)」のメローニ党首は、選挙戦で「イタリアの国益を守る」と強調し、物価高騰に苦しむ有権者の支持を獲得した。極右の勢力拡大の背景には、ロシア軍への抵抗を続けるウクライナに対するイタリア国民の「支援疲れ」も透けて見える。

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 選挙では、ロシアのウクライナ侵攻などに伴う物価高が最大の争点となった。メローニ氏は企業への大幅減税や最低賃金の導入、福祉手当の引き上げなどを主張。対立陣営は「ばらまき」と批判を強めていた。
 イタリアの8月のインフレ率は8.4%。特にエネルギー価格が上昇しており、暖房の需要が増加する冬に向けて国民の不安は高まっている。9月2日に公表された世論調査では、約51%が「対ロ制裁を見直すべきだ」と回答した。ウクライナ支援のために実施しているロシアからのエネルギー輸入に関する規制を緩和すべきだとの意見だ。
 中道左派・民主党は独裁者ムソリーニを肯定するメローニ氏の過去の発言を取り上げるなどし、「イタリアと欧州連合(EU)の民主主義にとって大きな脅威だ」とFDIを非難した。ただ、経済危機に対処する具体策を打ち出せず、有権者を引き寄せることはできなかった。

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