元園長ら、過失認める 「本当に申し訳ない」―5歳児バス熱中症死・福岡地裁
2022年09月26日19時09分
福岡県中間市の私立双葉保育園で2021年7月、園に通っていた当時5歳の男児が送迎バス内に取り残され熱中症で死亡した事件で、降車確認を怠ったとして業務上過失致死罪に問われた元園長の浦上陽子被告(45)と保育士鳥羽詞子被告(59)の初公判が26日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であり、両被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、両被告が泣いていた別の園児に気を取られ、全員が降車したことを確認せずにバスを施錠したと指摘。バスを運転していた浦上被告は他の保育士らに男児が登園していると伝えず、「保育士らは欠席したと認識していた」と述べた。検察側は閉め切ったバス内の温度が50度を超えていたとする県警の検証結果を証拠として提出した。
被告人質問も行われ、浦上被告は車内にいた男児を見落とした原因について「(男児と同じバスに乗っていた)1歳児がずっと泣いていたので、早く園に戻った方がいいと気持ちが焦った」と説明した。
その上で、「自分がしっかりしていたら、被害を出すことはなかった」と話し、「本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と謝罪した。
一方、降車補助担当だった鳥羽被告は「(園児の降車確認は)園長がしているものと思い込んでいた」と釈明。職員間の連携不足で事件が起きたとし、「男児に気付けなかったことが悔やまれ、反省している」と話した。