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ロシア、死者に招集令状 狙われる少数民族―ずさんな部分動員・ウクライナ侵攻

2022年09月25日20時31分

 【ロンドン・ロイター時事】ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ侵攻の苦境打開を目指し「部分的動員令」を発出した。少数民族が暮らすロシアの地方では死者にすら招集令状が届けられている。

国民反発、覚悟の動員 ロシア大統領が30万人招集

 ◇病人も
 動員令の翌日、バイカル湖のほとりに位置する極東ブリャート共和国では、アレクサンドル・ベズドロジニさんの自宅に当局者らが招集令状を携えて現れ、出頭を命じた。ただ、ベズドロジニさんは既に亡くなっていた。
 享年40歳。新型コロナウイルスの猛威が吹き荒れた2020年12月、ブリャートの中心都市ウランウデの病院で、人工呼吸器を装着されたまま亡くなった。ベズドロジニさんの親族の女性は「死んでからようやく政府は彼を思い出した」と怒った。
 こうした混乱が各地で発生し、ブリャート共和国のツィデノフ首長は23日、声明を出し、医療上の問題がある人は招集されないと強調した。ただ「朝から70人ほど、招集令状を受け取った人がいる」と述べ、間違って病人に送達される例があることは認めた。「招集された会場に行って担当者にきちんと説明してほしい。証明できる書類を忘れずに」と対策を指導した。
 ◇差別
 ブリャート共和国はモンゴル系のブリャート人が人口の約3分の1を占める。徴兵忌避の支援活動を行っている「自由ブリャート基金」のガルマジャポワ代表は「ブリャートでは『部分動員』ではない。誰も彼も徴兵しようとしている」と差別を訴えた。
 21日の夜だけで、4000~5000人に招集令状が届けられたという。なぜか令状は夜に届けられることが多い。ウランウデ近郊オロンゴイ村は人口1700人程度とみられているが、住民によると、106人に招集令状が届いた。ガルマジャポワ代表は「反戦デモが起きたサンクトペテルブルクやモスクワは触らないようにしている」とプーチン政権を批判した。
 独立系ニュースサイト「バージニエ・イストーリー(アイ・ストーリーズ)」は、部分動員令が出る前から、ウクライナで死亡した兵士はブリャートやカフカス地方のダゲスタン出身者が多いと伝えていた。どちらもロシアでは貧しい地域として知られ、同じ期間で比較して、死者数はブリャート259人、ダゲスタン277人に対し、モスクワ出身者は10人だった。
 ロシア人は隣国モンゴルにはビザなしで30日間滞在できる。ブリャートとモンゴルの国境には22日、ロシアを脱出する車の大渋滞が発生した。

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