財務官「あらゆる措置、排除せず」 円安を強くけん制―政府・日銀会合
2022年09月08日19時26分
財務省と金融庁、日銀は8日午後、急速に進む円安を受け、財務省内で情報交換会合を開いた。会合後、同省の神田真人財務官は記者団に対し「明らかに過度な変動だ。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)だけでは正当化できない」と指摘。「このような動きが継続すれば、あらゆる措置を排除せず、為替市場において必要な対応を取る準備がある」と強く市場をけん制した。為替介入を排除しない姿勢を示した格好だ。
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神田氏は「この数日間は投機的な動きも背景に一方向で急速な円安の進行が見られる」と強調。「政府、日銀はこうした動きを極めて憂慮している」と語った。
財務官は為替介入の実務を指揮する。実際に政府・日銀が円買い・ドル売り介入を実施すれば、バブル崩壊後の金融危機に直面していた1998年以来、約24年ぶりとなる。神田氏は介入に関連し「米国を含め各国当局とは緊密に連携を取っており、しっかりと意思疎通はできている」と述べた。
外国為替市場では今年3月以降、急速に円安が進行。今月7日には1ドル=144円台と、24年ぶりの安値を付けている。
3者はこれまでも為替相場の変動などで市場が動揺した際に会合を開いており、開催は「円安を憂慮している」との共同声明文を出した6月10日以来。神田財務官のほか、金融庁の中島淳一長官、日銀の内田真一理事らが出席した。