デジタル発展省が発足 トップはオードリー・タン氏―台湾
2022年08月28日07時10分
【台北時事】台湾の蔡英文総統は27日、デジタル経済の発展や情報セキュリティー強化を担う「デジタル発展部(省)」を発足させた。初代トップには、政務委員(無任所閣僚)として蔡政権のデジタル政策を推進してきた唐鳳(オードリー・タン)氏が就任した。
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蔡氏は27日に行われた同省の発足式で「台湾を『デジタル国家、知恵の国』にすることは、政府・与党の最も重要な目標の一つだ」と述べた。デジタルトランスフォーメーション(DX)が将来の経済成長のカギになると見込む蔡氏は就任以来、同省の設立を目玉政策に据えてきた。
デジタル発展省は今後、政府の関連部門と協力し、情報、電気通信、インターネットなど主要分野を統合して官民のデジタル技術活用を推進。デジタル環境インフラを整備・強化し、企業のDX促進を支援する。
唐デジタル発展部長(デジタル発展相)は「全市民のためのデジタル強靱(きょうじん)性」が同省の核心的役割だと強調。社会のデジタル化に伴う情報流出やサイバー攻撃、偽情報といったリスクからの保護を重視する考えを示した。
台湾では軍事威嚇を強める中国からのサイバー攻撃や情報戦を仕掛けるフェイクニュースが大幅に増加しており、同省は安全保障面でも大きな役割を担う。唐氏は年内をめどに、省の傘下に情報セキュリティー機関を設置する方針だ。