バス炎上、運行会社を捜索 過失運転致死傷容疑―車両には異常なし・愛知県警
2022年08月23日12時39分
名古屋市北区の名古屋高速道路で路線バスが横転、炎上するなどして9人が死傷した事故で、バスの車両自体には異常がなかったとみられることが23日、愛知県警への取材で分かった。県警は、バス運転手が何らかの原因で事故を起こしたとみて、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で、運行会社のあおい交通(同県小牧市)を家宅捜索した。
県警によると、バスは片側2車線の小牧線豊山南出口付近で、本線と右側にある出口に向かう車線を分ける分離帯に衝突。衝撃を吸収するクッションドラムや大型の標識などをなぎ倒し、右前方が大破。本線上に横転し、後続の乗用車がぶつかった。
付近の制限速度は時速60キロで、分離帯付近に目立ったブレーキ痕はなかった。バスの車両自体に異常はなかったとみられており、同出口で高速道を降りる予定だったことから、県警は運転手がハンドル操作を誤ったか、体調に異変が生じた可能性も含め、関係者から事情を聴くなどして事故原因を調べる。
県警は午前9時ごろから約1時間、あおい交通の本社と、事故を起こしたバスの運転手が所属する営業所を捜索。本社には捜査員6人が入り、採用に関する書類など段ボール2箱分の資料を押収した。
松浦秀則社長は同日、本社で記者会見し、「亡くなられた方のご冥福をお祈りし、けがをされた方に心よりおわび申し上げる」と頭を下げた。