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日銀総裁って何する人 ポスト黒田に熱視線―ニュースQ&A

2022年08月22日15時58分

講演する日銀の黒田東彦総裁=6月6日、東京都千代田区

講演する日銀の黒田東彦総裁=6月6日、東京都千代田区

 「物価の番人」「銀行の銀行」とも呼ばれ、日本の中央銀行として金融政策を担う日銀。そのトップである日銀総裁の発言は、日本だけでなく、世界各国の政府や金融市場の関係者が注目する。現在の黒田東彦総裁の任期は2023年4月まで。次の総裁選びに熱い視線が注がれている。
 ―日銀総裁の役割は。
 日銀は1882年に設立された。現在は、物価の安定と金融システムの安定を使命として、金融政策のかじ取りを担っている。日銀法で、総裁は日銀を代表し「業務を総理する」と定められており、最高意思決定機関である政策委員会の議長を務める。国会や政府の会議で金融政策を説明するほか、先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議などの国際会議にも出席する。
 ―どうやって選ばれるのか。
 中立性、独立性が求められるトップとして衆参両院の国会同意を経て、内閣が任命する。任期は5年で、任期中は原則として解任されない。
 ―過去の総裁は。
 戦後は大蔵省(現財務省)と日銀の出身者が交互に務めていた時期が長く、「たすき掛け」人事とも呼ばれた。1998年4月の新日銀法施行以降は、日銀出身者が3代連続で務め、その後、13年に財務省出身の黒田総裁が就任した。歴代総裁の出身地は東京都と大分県がそれぞれ4人と最多で、山形県、兵庫県、鹿児島県が各3人と続いている。海外の中央銀行では女性がトップに就く例もあるが、日本ではまだ女性総裁は誕生していない。
 ―どうやって政策を決めている。
 政策委員会は総裁と副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成する。金融政策を決める金融政策決定会合では、出席委員の多数決で議決し、同数の場合は議長が決定する。
 ―次期総裁の人事に注目が集まる。
 現在の黒田総裁は在任期間が歴代最長の約9年5カ月に及び、23年4月8日に任期を迎える。黒田総裁は2%の物価目標実現に向け、「異次元」の金融緩和策で故安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」をけん引してきたが、目標はいまだ実現できていない。次期総裁は日銀や財務省の出身者を中心に人選が進むとみられるが、新総裁の下で現行の緩和策や物価目標が変更されるかどうかも注目点だ。

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