ロシア軍、原発を軍事基地化 ウクライナ南部で態勢強化
2022年07月17日22時30分
【パリ時事】ロシア軍は、占拠したウクライナ南部で防衛態勢を強化している。ウクライナ側への攻撃も続け、欧州最大規模のザポロジエ原子力発電所を軍事基地化したとみられる。AFP通信によれば、欧州連合(EU)加盟国外相は18日に会合を開き、ロシアへの追加制裁について協議する。
ロ軍、長距離ミサイル攻撃強化 占拠の原発を軍事基地化も―ウクライナ
英国防省は17日の戦況分析で、ロシア軍が南東部の港湾都市マリウポリとザポロジエの間およびヘルソンで「人員や機材、防衛設備を移動させている」と指摘。さらに「南部メリトポリでも安全対策を強化している」と説明した。
一方で、ロシア軍の攻撃も続いている。南部ミコライウのセンケビッチ市長は17日未明、通信アプリを通じ「16、17両日に約10発の大きな爆発音が聞こえた」と明らかにした。また、東部ドネツク州のキリレンコ知事は17日、同州内の複数の町で爆撃があり、住宅や小学校などが破壊されたと説明。現時点で人的被害に関する情報はないという。
南東部ドニプロペトロウシク州ニコポリでは16日、住宅地にミサイルが撃ち込まれ、同州のレズニチェンコ知事は少なくとも2人が死亡したと明らかにした。川を挟んだニコポリの対岸にはザポロジエ原発があり、原発を拠点とするロシア軍による攻撃が疑われている。