金融庁、中部電系に業務停止命令 3カ月間、REIT運用会社
2022年07月15日18時53分
金融庁は15日、中部電力系の不動産投資信託(REIT)の運用会社に対し、金融商品取引法に基づき3カ月間の一部業務停止命令を出した。投資対象として親会社から不動産を取得する際、親会社の売却希望額を優先し、不動産鑑定業者に評価額の引き上げを不適切に働き掛けたため。証券取引等監視委員会が6月、行政処分を勧告していた。
金融庁が業務停止を命じたのは、中部電力グループである日本エスコンの子会社エスコンアセットマネジメント(東京)。同庁は併せて、経営責任の明確化を含めた業務改善命令も出した。
金融庁などによると、エスコンアセットは不適切な働き掛けのほか、鑑定業者を決める際には親会社の希望額以上の評価額を出す業者を選んでいた。金融庁はこれらの行為について、投資家に対する忠実義務違反だと判断した。
処分を受け、エスコンアセットは「投資家など関係者に多大な心配と迷惑を掛け深くおわびする」とのコメントを発表。親会社の日本エスコンも「再発防止に全力を挙げて取り組む」とのコメントを発表した。