大規模葬で「弔問外交」展開へ 各国が代表団派遣検討―安倍氏死去
2022年07月14日07時06分
政府・自民党が今秋検討している故安倍晋三元首相の大規模葬儀の前後に、各国との「弔問外交」が展開されそうだ。既に代表団の派遣を表明している国もあり、岸田文雄首相は、安倍氏が提唱した「自由で開かれたインド太平洋」構想を内外にアピールする機会としたい考えだ。
大規模葬儀、今秋実施へ 安倍氏死去、「国葬」求める声も―政府
岸田氏は13日朝、カナダのトルドー首相と電話会談。トルドー氏は「献身的かつ先見性のある指導者として国際社会をリードした」と安倍氏をしのんだ。9日のバイデン米大統領を皮切りに弔意を示す電話が相次ぎ寄せられ、外務省幹部は「安倍氏がいかに各国首脳と良好な関係を築いていたかが分かる」と話す。
政府・自民党は大規模葬儀について、「国葬」とするか内閣・党の合同葬とするかなどを今後検討する。12日に電話会談を行ったオーストラリアのアルバニージー首相は「正式なお別れの会が開かれる際には政府からきちんとした人を派遣する」と岸田氏に伝えた。
韓国大統領府も韓悳洙首相や鄭鎮碩国会副議長らによる弔問使節団を日本に派遣すると表明した。元徴用工問題などの懸案を抱える韓国とは正式な首脳外交が途絶えており、両政府間の対話を促進させるきっかけとなる可能性もある。
2000年4月に小渕恵三首相(当時)が脳梗塞で倒れ、その後死去した際に行われた内閣・自民党合同葬には、米国や韓国の現職大統領が来日し、80以上の国・地域から特使が派遣されたという。別の外務省幹部は「安倍氏は首相在任期間が長く、各国から首脳やそれに準ずる人が来るのではないか」とみており、近く準備に入る方針だ。