「警備に問題、否定できない」 警護計画、当日承認―奈良県警本部長、安倍元首相銃撃で
2022年07月09日22時23分
安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件で、奈良県警の鬼塚友章本部長は9日、事件後初めて記者会見し、「極めて重大かつ深刻に受け止めている。警護警備に関する問題があったことは否定できない」と述べた。その上で、早急に問題点を確認し、対策の検討や見直しを行うとの考えを示した。
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会見は県警本部で午後6時から約1時間行われた。鬼塚本部長は、冒頭に「安倍晋三元内閣総理大臣のご冥福を心よりお祈りいたしますとともに、ご遺族および関係者の皆さまに心よりお悔やみを申し上げます」と述べ、頭を下げた。
県警には事件前日の7日夕方、安倍氏の遊説日程が伝えられた。担当部局が警護計画書を作成し、最終決裁者の鬼塚本部長に事件当日の朝に報告があり、承認したと説明。「違和感や修正点はなく、原案通り承認した」といい、計画通りに警護が行われたと述べた。
加えて、「事案の全容解明し捜査尽くすことが、亡くなった安倍元内閣総理大臣に対する最大の弔いであり、県民、国民の皆さまに対する私の責任」と語った。
会見では、警護態勢の不備を問う質問が集中した。鬼塚本部長は終始硬い表情で、「治安責任を有する本部長として責任を痛感している」「警察官人生での最大の悔恨、痛恨の極み」と話し、言葉を詰まらせる場面もあった。