バス表示、見守りサービス不具合 宅配も「深刻な状況」に―KDDI障害
2022年07月04日19時07分
KDDIの大規模通信障害では、バス停での運行表示や高齢者の見守り、食事の宅配といった生活に身近なさまざまなサービスにも混乱が広がった。4日にも影響が残ったケースが多く、利用企業は「早期復旧が最優先」(運送大手)と引き続き対応に追われた。
飲食宅配代行サイト「出前館」では2日以降、データ通信障害などのため、消費者がサイトにアクセスしづらくなった。さらに委託先の配送員が専用アプリを使えなくなり、仕事を依頼できない「深刻な状況」(広報)に陥った。
ヤマト運輸では4日もコールセンターやドライバーとの電話がつながりにくく、駅やスーパーに設置した専用ロッカーで荷物を集配するサービスも一部利用できなかった。JR貨物では駅でコンテナの状況を管理するシステムに不具合が生じ、2日以降計32本の列車で遅延が発生した。
小田急バス(東京)や京成バス(千葉県市川市)では、バス停などで運行位置を表示する機械が使用できなくなった。警備大手のセコムでは、遠隔地に住む高齢の家族らの動きをスマートフォンへ知らせる見守りサービスに障害が出た。
大垣共立銀行(岐阜県大垣市)では、岐阜・愛知県などに設置している店舗外の現金自動預払機(ATM)221台のうち一時190台が利用できなくなったが、4日までにすべてが復旧した。
トヨタ自動車やスズキなどでは、インターネットに常時接続する「コネクテッドカー(つながる車)」で、運転中にオペレーターと通話できる機能などに支障が出て、影響は4日も続いた。