製造業景況感、2期連続悪化へ 非製造業は改善―短観民間予測
2022年06月28日07時06分
日銀が7月1日に発表する6月の全国企業短期経済観測調査(短観)の民間シンクタンク16社による予測が27日、出そろった。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、資源価格高騰などの影響で大企業製造業が2期連続の悪化を予想。一方、新型コロナウイルス感染者数の減少に伴うサービス業の業績回復で、大企業非製造業の景況感は改善するとの見方が大勢だ。
DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いて算出する。
大企業製造業のDI予想平均値は前回3月短観から1ポイント悪化の13。ロシアのウクライナ侵攻による資源価格高騰のほか、中国・上海市でのロックダウン(都市封鎖)に伴う部品不足なども企業業績を圧迫しており、「外部環境の悪化の影響で景況感は低下する」(大和総研)とみられている。
一方、大企業非製造業の平均値は15と前回から6ポイント改善。新型コロナの「まん延防止等重点措置」の全面解除が追い風となり、飲食・宿泊などサービス業が大幅に改善しそうだ。
急速な円安進行などを背景に輸入物価が上昇しており、各社とも物価関連の指標を注視。「非製造業も含め価格転嫁の動きが一段と進んでいることが示されるだろう」(BNPパリバ証券)と予想する。
先行きの景況感は、大企業製造業、非製造業とも改善を見込むが、「原材料価格の上昇・高止まりへの懸念も根強く、大幅な改善は見込みづらい」(ニッセイ基礎研究所)との指摘がある。