農水次官に横山氏 新井氏は消費者庁長官
2022年06月11日07時13分
政府は10日、農林水産省の枝元真徹事務次官が退任し、後任に横山紳官房長が昇格する人事を固めた。閣議での承認を経て、6月中にも発令する。一方、昨年7月に同省で女性初となる次官級ポストに就いた新井ゆたか農林水産審議官は、消費者庁長官に起用する方向で最終調整に入った。
横山氏は日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)締結に携わったほか、経営局長時代に農協改革の総仕上げに当たった。ロシアによるウクライナ侵攻で世界的に食料不安が広がる中、日本の食料安全保障体制を強化することが課題となる。
新井氏は、食の安全に取り組む消費・安全局長の時に、家畜伝染病「豚熱(CSF)」のまん延防止対策に関与。農水審議官としては、東京電力福島第1原発事故に伴って諸外国が導入した被災地産食品への輸入規制の解除に向けて働き掛けを強め、米国の規制撤廃につながった。
横山 紳氏(よこやま・しん)東大法卒。86年農水省に入り、総括審議官(国際)、経営局長を経て20年8月官房長。59歳。兵庫県出身。
新井 ゆたか氏(あらい・ゆたか)東大法卒。87年農水省に入り、食料産業局長、消費・安全局長を経て21年7月農水審議官。59歳。埼玉県出身。