緊急事態条項、具体的議論を 維新・馬場伸幸共同代表―与野党インタビュー
2022年05月03日07時18分
―緊急事態条項創設の必要性は。
不測の事態が起こったとき、国会議員の任期延長は憲法の中に規定を置かなければできない。全く国会が機能しないとなると、国民の安心、安全が確保できない。規定を置くことが必要だ。テロや内乱、戦争、大規模な災害、感染症の流行と、緊急事態とは何かということは、かなり絞り込まれてきている。そういう状況になったとき、人権の制約が大きな課題として出てくる。個人的には、緊急事態宣言下でも「こういうことはできない」というリストを作るべきだと思う。
―憲法9条改正については。
われわれは自衛隊を憲法上位置付けるべきだという基本的な考えがある。どういう憲法改正をすればいいのか、党内で議論を行っていく。
―自民党も緊急事態条項の創設を掲げている。
不測の事態が起これば国会議員の任期延長やむなしという部分は、もう議論が収れんされていると思う。最大で何日間延長できるのか、誰に決定権があるのか、誰が要請するのかという細部の議論をしていく段階に入っている。この部分は自民党も全く議論が進んでいないと思う。
―議論のスケジュール感は。
具体的に各党が考え方を出していくことになっていると思うから、国会の憲法審査会で議論を行うよう提案していきたい。
―与党とまとめた国民投票法改正案をどうすべきか。
公職選挙法の改正がなされているので、(それに合わせて)一刻も早く国民投票法も改正すべきだ。
―国会での憲法論議をどう見るか。
お城で言えば外堀で泳いでいるというのが今の姿だ。早く本丸の中に入って議論していくことが肝心だ。
―夏の参院選と合わせた憲法改正国民投票の実施を主張している。
松井一郎代表は「国民投票をいつやるか、時期的な目標を設定して議論しなければ前に進まない」というのが本音だ。個人的な意見を言えば、参院選時に国民投票を行うとルール化すれば、改憲の議論も前に進む可能性が高まってくるのではないか。国民主権をうたっている憲法が、一度も国民投票を経ていないことは非常に問題だ。国民投票を行うことは非常に重要なことだ。