暗号資産専門家に禁錮刑 北朝鮮に技術提供―米
2022年04月14日07時11分
【ニューヨーク時事】米ニューヨーク連邦地裁は12日、暗号資産(仮想通貨)やこれを支えるブロックチェーン(分散型台帳)の情報を米政府の許可なく北朝鮮に提供したとして、暗号資産専門家の米国人バージル・グリフィス被告(39)に禁錮5年3月と10万ドル(約1250万円)の罰金を言い渡した。グリフィス被告の行為は、対北朝鮮制裁逃れを支援したことになる。
ニューヨーク連邦地検によると、被告は2019年4月、国務省の許可を得ず訪朝。北朝鮮にとって、暗号資産が米国の制裁を回避し、核開発など不正な活動の資金源になると十分に認識していたにもかかわらず「平壌ブロックチェーン・暗号資産会議」に出席し、暗号資産の技術を使ったマネーロンダリング(資金洗浄)や制裁逃れの方法を指導した。
米国人が政府の許可なく北朝鮮に技術や商品、サービスを提供することは法で禁じられている。グリフィス被告は19年11月にロサンゼルス空港で逮捕されていた。
地検幹部は声明で「北朝鮮がわが国の安全保障上の脅威であることに疑いの余地はない。きょう正義が果たされた」と述べた。今月公表された国連安保理の北朝鮮制裁委員会専門家パネルの年次報告書でも、サイバー攻撃による暗号資産獲得が北朝鮮の「重要な収入源」だと指摘されている。