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船員足止め、世界で約15万人 長期航海後も家に戻れず―新型コロナ

2020年05月09日09時07分

シンガポール海峡を行き交う船=2013年5月(EPA時事)

シンガポール海峡を行き交う船=2013年5月(EPA時事)

 【ロンドン時事】新型コロナウイルスの感染拡大を受けた世界各地の封鎖で、貨物船など商船の船員交代が制限され、多くが下船できずにいる。各国の船主団体でつくる国際海運会議所(ICS)によると、世界で約15万人が足止めされているとみられ、船員の健康への懸念が強まっている。

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 封鎖に合わせ、国によっては自国での船員交代を認めていない。認められた国でも、検疫に加え、航空機の運航停止や移動制限のため出身地に帰ることも代替員が乗船地に来ることもできず、交代は困難だ。

国際海事機関(IMO)本部=2018年4月、ロンドン

国際海事機関(IMO)本部=2018年4月、ロンドン

 ICSによれば、現在世界で運航中の商船は約6万5000隻、乗員は約120万人に上る。フィリピン人やインド人船員を中心に毎月10万人程度が交代する手はずだが、「過去2カ月間、完全にストップしている」(プラッテンICS事務局長)。船員は数カ月にわたる船上勤務の後、休暇もないまま、雇用主との契約延長を余儀なくされている。
 ロンドンのキリスト教系支援団体ミッション・トゥー・シーフェアラーズは4日、海上に取り残された格好の船員に疲労が目立っているとする意識調査報告を公表。「休暇や自宅に戻るめどが立たないまま仕事を続けることに、船員の疲弊、燃え尽き感が増している」と警告した。
 世界の貿易量の約9割は海運に依存する。国際海事機関(IMO)はこの問題が改善されないと国際的な物流に影響が及ぶとして、各国政府や船会社などに対し船員の交代を可能にするための早急な態勢整備を要請した。

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