内野優・神奈川県海老名市長
小田急や相鉄、JR東日本の3社が乗り入れる海老名駅を中心に、駅周辺や沿線の開発が急ピッチで進む神奈川県海老名市。内野優市長(うちの・まさる=64)は「みんなが笑顔で住みやすいまち」を基本理念に、10年後の市の姿を見据えた新たな総合計画を現在、策定している。「人が生きている以上、笑顔があれば楽しいし、住みやすいまちにもなる。これは自分の目標だ」と思いを語る。
海老名市は、将来の人口減少を見据え、これまでも手厚い子育て支援や若者定住促進策に取り組んできた。そのかいあってか、昨年12月に市内在住の18歳以上を対象にアンケート調査を行ったところ、9割近くの人が定住志向であることが分かった。現在も人口増加が続いており、「交通の要衝としてのブランド価値向上もあるが、これまで防災と防犯面に相当注力してきた。犯罪認知件数も昨年は818件。1000件を切るまでに減少している。住みやすさが上がった点が大きいのでは」と、治安の改善もプラスに働いていると分析する。
高齢者対策では、県内初の試みとして、元気で安全に暮らせるまちづくりを目標に「歯」と「オーラルフレイル」に着目。2019年度には、通常の検診対象年齢を「65歳以上」から「55歳以上」に引き下げる単独事業を始めた。「100歳になっても元気で過ごすには『歯』が重要。その認識を持ってほしいし、そのためにも働いているうちに治療してほしいと考えた」。20年度からは、医療・介護(予防)・住まい・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の充実に向け、在宅医療の拡充にも取り組む方針だ。
また、障害者が生きがいを持って働ける場を提供するため、農業と連携した福祉公社の設立も視野に入れる。「具体的な賃金体系にも踏み込む内容にしたい」と話す。
県内の現職市長では最長となる5期目に入った。自他共に認める「人が好きでおせっかい焼き」の性格だと苦笑しつつも、「市長は市のトップではあるが特別ではない。仕事をしているのは職員。市民のためにやるべきことをしっかりやる」と語る。その上で「問題解決能力と切り替えの早さ」を心掛けているという。「判断を求めて職員が来る以上は、前のことを引きずるわけにはいかない。『30分の切り替え』だ」と力説する。
市では女性職員が多く働いており、管理職比率25%も今後1年ほどで達成できる見込み。「同じ仕事をやり、同じ労働条件である以上、そもそも男女は関係ない。能力のある人間が上に行くべきだ」と持論を語る。その上で、出産や子育て、介護などがあっても「(職員の)誰もが応援を受けられるような組織改編も考えている」そうだ。
〔横顔〕海老名市出身。大学卒業後、同市役所に入り、市議会議員を経て市長に。高校時代は生徒会長を務めた。座右の銘は「思いやり」。好きな作家は池波正太郎。「鬼平犯科帳」が一押しで、ケーブルテレビの時代劇チャンネルで繰り返し見ている。「なんといっても単純明快なストーリーがいいね」
〔市の自慢〕「良い意味で『しがらみ』のある、ちょっと都会で田舎なところ」。21年春には小田急線海老名駅に隣接して「ロマンスカーミュージアム」がオープンする予定。(2020/02/21-08:30)
特集
トップインタビュー
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