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市場改革、骨抜き懸念 1部降格当面見送り―東証

2020年02月22日07時19分

 東京証券取引所は2022年4月の市場再編直後に、現在の東証1部から降格する上場企業を出さない方針だ。降格すれば、信用が低下し、資金調達や人材確保に支障を来しかねない。こうした企業の不安に配慮した形だが、これまで「(現在の枠組みを刷新し)市場の性格を明確にする」(東証幹部)と強調してきた再編の狙いとの乖離(かいり)は大きい。市場関係者からは「改革が骨抜きになる」と懸念する声が上がった。
 東証が21日示した市場改革の骨子は、企業が東証1部に代わる新たな最上位市場「プライム」(仮称)の上場基準を満たしていない場合でも、基準適合に向けた計画書を提出すれば「経過措置」を適用すると明記。東証は経過措置の期限を明示しておらず、計画が合理的であれば、当面は最上位に踏みとどまることができる。
 現在の東証1部は2部や新興市場から昇格する際の基準が甘く、上場企業は2100社強と20年前の1.6倍に膨らんでいる。時価総額は25兆円超に上るから30億円未満の企業まであり、「玉石混交」(証券アナリスト)だ。最上位市場としてブラドを確立できておらず、「海外から日本に資金を呼び込む上で弊害になってきた」(同)という。
 このため今回の改革では、新しい最上位市場の在り方が注目されてきた。優良銘柄に厳選していると国際的に評価されれば、「投資判断の重要な手掛かりとなる」(海外大手証券)からだ。
 骨子で示されたプライムの上場基準は、市場で売買できる株式数に株価を乗じた「流通時価総額」で100億円以上。現在1部に上場する企業の2割に当たる400社程度がクリアできないが、当面は経過措置に救われる。
 東証を傘下に置く(JPX)の清田瞭最高経営責任者は記者会見で「(プライムに上場できる企業の)数をもっと減らせという専門家の声は承知しているが、マイナスの影響を受ける上場企業も多い」と説明。「現実論としてできるベストな道を選んだ」と訴えた。

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