聖火で町全体盛り上げる=世利良末・福岡県志免町長

世利良末・福岡県志免町長

 福岡市に隣接するベッドタウンとして今も人口が増え続ける福岡県志免町。2期目の世利良末町長(せり・よしみ=66)は「昨年、町制80周年を迎え、新たな100年に向けスタートした。今年はいよいよオリンピックイヤー。5月12日、志免町を聖火が駆け抜ける。町全体で盛り上げたい」と、夏の東京五輪・パラリンピック開催前の一大イベントに向け意気込む。

 福岡県内の聖火リレーは5月12、13の両日、20市町村で実施する。全60市町村のうちの3分の1だが、糟屋郡内では志免町が唯一選ばれた。1日目は県南の大牟田市からスタート。志免町は太宰府市から聖火を受け継ぎ、町内約2キロの区間を11人のランナーでつなぎ、福岡市に渡す。2日目は築城町から出発し、北九州市まで聖火が走る。

 聖火リレーでは、同じ糟屋郡の宇美、篠栗、須恵、新宮、久山、粕屋各町も「一緒に盛り上げよう」と連携することで一致。聖火出発のセレモニーでは各町長が出そろうことになった。リレー区間内には各町がそれぞれブースを設置して、ランナーの応援と盛り上げに一役買う方向だ。

 中学、高校、大学時代に棒高跳び、やり投げなどの陸上選手だった世利町長は「私も走れないか」と思ったそうだが、「政治家はだめだった」という。

 一方、町の政策課題では、まず災害への備えを挙げた。「今は災害が毎年のように起きる。水害だけでなく、地震もあり得る」と、防災対策の強化に力を入れる。年度内には役場庁舎と福祉避難所で非常用発電機の整備が完了。九州電力とも協定を結び、災害時の早期の電力復旧などで協力を得られることになった。

 ここ数年、大きな水害はなかったものの、町長就任の前年、2014年に若い警察官が水路に流され命を落とした事故は忘れられない。豪雨で道路と水路の境目が増水で分からなかったためとみられる。「過去には宇美川が何回も氾濫した。川の対策は県が行うが、町としては水路を調査・改修し、バイパスを作った」という。

 また、「保育園や学童保育の待機児童対策は喫緊の課題」。福岡市や福岡空港に近いことから、「マンション建設が相次ぎ、子育て世代が多いので、子どもの数は年々増える」と語る。私立の幼稚園・保育園でも定員増の建て替えには町が補助する事業を新年度予算案に計上した。町内の小学校には1200人を超える県下2位のマンモス校があり、学童保育の施設が足りず、低学年の教室を開放するなどして活用することにした。

 志免町への公共交通機関は鉄道がなく、バスしかない。県道の渋滞解消は長年の課題だ。2017年に国の認可を得て、都市計画道路整備に向け用地買収などを進めることが可能となった。1972年に道路整備の構想をまとめて以来のことで、ようやく一歩前進した。福岡市の「大動脈」である外環状道路までつなぐ道路整備の完了は、なお10年以上の歳月がかかる見通しで、先はまだ長い。

 〔横顔〕福岡大体育学部卒。中学校の保健体育の非常勤講師を経て志免町職員に。2015年に町長就任。趣味はゴルフと読書。ゴルフのベストスコアは73。いろんなジャンルの本を読むのが好きで、最近薦められて読んで良かったのは「終わった人」(内館牧子著)。

 〔町の自慢〕国の重要文化財に指定されている「旧志免鉱業所竪坑櫓(たてこうやぐら)」。石炭や坑員の移動に使用した。鉄筋コンクリート造りで高さ47メートル。「もともと志免町は炭鉱の町。町のシンボル」と言う。「町の特色は人づくり」で、町内にボランティア数が多いのも自慢。(2020/02/19-08:30)

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