「昆虫50万種が絶滅の危機に」 科学者ら警告
2020年02月13日08時24分
【パリAFP=時事】絶滅の危機に直面している世界の動植物100万種の約半数は昆虫だとする研究結果が10日、発表された。昆虫の消失は人類にとって大惨事となる可能性があると、研究は警告している。(写真は資料写真)
今回の研究結果をまとめた論文の筆頭執筆者で、フィンランド自然史博物館の生物学者であるペドロ・カルドーソ氏はAFPの取材に応じ、「ほぼすべての昆虫の個体数減少と絶滅に人の活動が関係している」と語った。
第1の要因は生息地の縮小と生息環境の悪化で、第2の要因は汚染物質(特に殺虫剤)と侵略的外来種とされている。
生物資源の乱用──世界では2000種以上の昆虫が人の食料の一部となっている──と気候変動も要因の一部だ。
カルドーソ氏は、受粉、栄養循環、害虫駆除などの「かけがえのない貢献の提供者」であるとして、多くの昆虫種は必要不可欠だと指摘する。
■「生態系への貢献」 米国だけでも年間570億ドルの価値
これらの「生態系への貢献」は、米国だけでも年間570億ドル(約6兆3000億円)の価値に相当することが、過去の研究で明らかになっている。
国連の科学者組織「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」によると、世界規模では、虫媒(昆虫による受粉媒介)を必要とする作物には年間2350億~5770億ドル(約25兆8000億~63兆4000億円)の経済的価値があるという。
そして、多くの動物が生存のために大量の昆虫に依存している。
例えば、欧米全域での鳥類個体数の急減については、殺虫剤使用の影響による昆虫個体群の崩壊との関連が指摘されている。
■これまでに同定・命名された昆虫は2割程度
科学者らは昆虫種が約550万種存在すると推定しているが、これまでに種が同定され、命名された昆虫はそのうちの5分の1ほどにすぎない。
「希少な昆虫種は非常に多く、また記録にも残されていない。そのため、絶滅危惧種や絶滅種の昆虫の数は甚だしく過小評価されている」と、カルドーソ氏は指摘する。絶滅危惧種をまとめた国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト」で評価対象となっている昆虫は、存在が知られている100万種のうちの約8400種にとどまっている。
また、18世紀から19世紀にかけて起きた産業革命以降に絶滅した昆虫種は、全体の5~10%に上るとされている。
「昆虫の絶滅に関する科学者から人類への警告」と題した今回の論文は、学術誌「バイオロジカル・コンサベーション」に掲載された。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕


















