宮元陸・石川県加賀市長
福井県との県境に位置し、日本有数の温泉地・加賀温泉郷を擁する石川県加賀市。2013年に就任した宮元陸市長(みやもと・りく=63)は、先進技術を市政に積極的に導入している。「新しいことにチャレンジしている地域として、興味を持たれるきっかけになる。地域を変えようとしている姿勢を見せることが大事だ」と、その意義を語る。
発端は、同市が南加賀地域で唯一、「消滅可能性都市」に位置づけられたことにある。「加賀市人口ビジョン」によると、かつて8万人を超えていた人口は、1985年をピークに減少の一途をたどり、19年には約6万7000人に落ち込んだ。40年には5万人を割り込むとの試算もある。産業構造を見ても、温泉地であるため観光業は盛んなものの、産業の集積につながりにくい側面があるという。そこで新たな産業の柱として先進技術に着目した。
これまでも「コンピュータークラブハウス」を開設し、子どもが先進技術に触れる機会を確保したり、統合型移動サービス「MaaS」による乗り合いタクシーの活用に向けて議論を始めたり、住民IDの管理にブロックチェーン技術を活用したり、矢継ぎ早にまちづくりに先進技術を投入してきた。こうした市政運営を、宮元市長は「スタートアップ企業のようなもの」と表現。「これまでのように単年度主義で仕事をやっていては社会に追いつけない。可能性があるものは、とにかく貪欲にやっていく」と行政にスピード感を求める。
12月には、行政分野でデジタル化が進むエストニアに拠点を構える企業と連携協定を締結。本人認証の煩雑さ解消が急務と考えており、デジタルIDアプリとマイナンバーカードを連携させ、自宅から行政手続きができるような仕組みの構築を目指す。「わざわざ役所に足を運ばないといけない手続きが多すぎて、市民の生産性の足を引っ張っている。もっとシームレスにしないといけない」と市民の利便性を重視する。
こうした取り組みを通じて、「人口減少に歯止めをかける」成果を出したいと語る。「挑戦的なことを多くやっているが、結果を出すのはとても大変」と述べつつ、「ただ、これまでのやり方では沈没してしまう。動かないことには芽は出ない。動いてなんぼだ」と強調する。
23年春には、北陸新幹線の敦賀延伸に伴い、市内の加賀温泉駅に新幹線が停車する予定で、交流人口の拡大に期待する。フリーランスで働く人に焦点を当て「いきなり定住は難しいが、まず彼らのような人たちに交流人口になってもらうために、加賀市を面白いと思ってもらうことが大事だ」と意気込みを示している。
〔横顔〕休日の過ごし方を聞くと「そもそも休みがないわ」と笑顔。休みができたら運動したり、ふらっとどこかへ旅に出たりしたいという。
〔市の自慢〕「たくさんあるが、一番はやはり加賀温泉郷。癒やしの空間として一押し」(2020/02/05-08:30)
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