辺野古移設「必要性失われた」=玉城デニー・沖縄県知事

玉城デニー・沖縄県知事

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に関し、防衛省が供用開始までに最短12年かかるとの見通しを示した。玉城デニー沖縄県知事(たまき・でにー=60)は「政府は普天間の危険性を早期に除去する必要から辺野古案が望ましいと言っていたが、その根拠や必要性は失われた」と強調、移設方針を堅持する政府を厳しく批判する。

 防衛省は2019年12月、埋め立て海域の軟弱地盤の改良工事を含む費用が、従来の2.6倍の約9300億円に膨らむことを明らかにした。工期も延長されたことで、普天間飛行場の返還時期は「22年度、またはその後」から30年代以降にずれ込む。

 玉城知事は「辺野古移設では、普天間の一日も早い危険性の除去にはつながらないことが明確になった。国民の理解が得られるのか、国会での議論を注視したい」と話す。政府は年度内にも工事の設計変更を県に申請する方針だが、玉城知事は許可しない意向だ。

 今年は終戦から75年目の節目。玉城知事は、原爆が投下された広島、長崎両市で開かれる平和式典への参列を検討しており、「悲惨な戦争の惨禍を被った3者が平和への強い思いを発信することは意義深い」と強調する。沖縄戦の組織的戦闘が終結した日とされる6月23日の「沖縄全戦没者追悼式」には、両市のほか、国連の事務総長を招待する方向で調整を進めているという。

 玉城知事の選挙公約である「万国津梁(しんりょう)会議」は、有識者が沖縄の将来像を議論するもので、米軍基地問題や国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)など5分野の会議で構成。議論に入った3分野のうち、児童虐待分野については意見がまとまり、玉城知事に意見書が提出された。基地問題を扱う会議では、在沖米軍基地の整理縮小に向けた議論を進めており、年度内にも玉城知事への提言をまとめる予定だ。玉城知事は「いずれは全ての分野で会議を立ち上げたいが、まずは現在の会議で実りある議論をすることが重要」と語る。

 21年度末に期限を迎える沖縄振興計画について、県はこれまでの成果と課題をまとめる検証作業を実施している。県振興審議会(会長・西田睦琉球大学長)の答申を踏まえ、20年度に新たな振興計画の骨子案をまとめる方針だ。玉城知事は「新たな沖縄振興における制度の在り方は、市町村との意見交換や内閣府との協議を踏まえて検討したい」と話している。

 〔横顔〕衆院議員の任期中、18年8月に急逝した故翁長雄志前知事の後継として知事選に出馬し、初当選。趣味はバンドで、19年7月には日本最大級の野外音楽祭「フジロックフェスティバル」に参加し、アコースティックライブを披露した。(2020/01/30-08:30)

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