平井伸治・鳥取県知事
日韓関係が急速に悪化した2019年は、鳥取県と韓国・江原道の友好提携25周年の節目の年だった。全国で両国の交流事業が次々と中止される中、鳥取県と江原道は記念行事として、それぞれ地元で知事会談を実施した。平井伸治知事(ひらい・しんじ=58)は、両知事とも地域交流を重視する思いは「ぶれなかった」と振り返り、「交流の礎を確かなものにできた」と胸を張る。
鳥取県と江原道は、1994年に友好提携協定を締結。その後、交流が中断した過去がある。島根県が「竹島の日」条例を制定した05年、竹島をめぐる前鳥取県知事や同県議会の姿勢に江原道が反発したためだ。
07年に就任した平井知事は、交流再開に向けた江原道側との協議の場で、「国の政治とは関わらないことを確認しよう」と呼び掛けた。中断から約2年9カ月後、当時の金振※(※=先を二つ横並び)知事が「『平井の熱意に負けた』と言って、再開を宣言した」(平井知事)という。
こうした経緯もあって、鳥取県と江原道は「国家間の争いに巻き込まれず、交流の大義を育てようと考えてきた」と説明する。19年に日韓関係が悪化しても、「(現職の崔文洵知事が)早い時期から地域間交流の重要性を内外に語っており、話が十分できる」とみて、鳥取県側が記念行事として平井知事の江原道訪問を打診した。
また、平井知事は「韓国の国情から、関係者が増えれば反対せざるを得ない人も増える」と考え、「自治体交流の中心」に絞り、「華美な式典はしない」ことも併せて提案した。その結果、昨年9月に江原道訪問が実現。この成功によって同年11月、崔知事の鳥取訪問もかない、それぞれの会談では友好関係を発展させることで合意した。
一方で、関係悪化による韓国からの乗客減少で運航が休止している定期航空便や貨客船の再開は「簡単ではない」と指摘する。「自治体は良いが、(民間は)営業ベースがある。お客が乗らない限り再開はない」
このため、県は観光戦略について現実的な視点で進める方針だ。韓国に比重を置いていたインバウンド戦略の転換を図り、中国・上海、台湾、タイなど「得意先を各国に作る戦略」を進める。貨客船については「荷物集めが必要」と貨物輸送の重要性を強調。官民一体で国内のさまざまな地域から積み荷を集めて境港の存在価値を高め、将来的に産業・物流の集積拠点にしたい考えだ。
東京五輪・パラリンピックが開かれる20年は「国際交流の節目」。「鳥取の付加価値をさらに上げる行動を起こすべき時。チャレンジしたい」と意気込む。
〔横顔〕来年の「ワールドマスターズゲームズ2021関西」に、県発祥のグラウンド・ゴルフ競技で出場予定。「競技歴は2回。腕前は悪いが向上したい」
〔県の自慢〕カニ、梨、イワガキ、柿、米と季節でおいしいものがある。「おいしいもの、とっとり(鳥取)ます」(2020/01/28-08:30)
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