三辻利弘・東京都大島町長
東京都は、地理的に大別して23特別区と多摩地域、伊豆、小笠原諸島の島しょ部の3地域に分かれる。ツバキや港で知られる大島町の三辻利弘町長(みつじ・としひろ=63)は、この島を「自然と、スポーツアイランド伊豆大島」と表現。重点施策として、台風災害からの復興に加え、「みんなが希望を持って働ける大島(産業振興)」「子どももお年寄りも安心して暮らせる大島」を三本柱に掲げる。これらの実現に向け、誘客や観光に力を入れている。
調布飛行場(調布市)から小型機で約30分、竹芝ふ頭(港区)からは客船で最短約1時間45分。箱根駅伝常連の大学が毎年のように合宿に来るといい、「近いし、島のアップダウンが練習にいいようだ。風も(箱根同様)強いときがあるから」と、その背景を説明。有森裕子さん、高橋尚子さんらも姿を見せたことがある。
大島マラソンやトライアスロン大会も島外からの参加者が多い。島を一周する道路があり、交通量が少ないため、数年前のサイクリスト大会を契機に自転車愛好家の来島も増えている。人口減少は止められなくとも、「観光、交流人口が増えれば、ある程度カバーできる」とみる。連動して「観光が元気になれば、商業とか農漁業、交通事業、いろんな産業にも幅広い経済効果がある」と、産業振興を目指す。
島は東京都で唯一、ジオパークに認定された。ツバキや三原山など、島全体の自然などが貴重とされたことについて「ジオパークというのは自然を大事にしながら、守るだけでなく、それを産業振興や防災教育、地域振興につなげる取り組み」との考えを示す。都をリードする形だが、「畏れ多い。東京都あっての大島」と、都と自治体の関係の大切さを重視する。
都立大島高校の卒業生は約9割が島外に出ていくが、「都会へのあこがれというものがある。島には企業とか大きいものがあるわけではないから」と割り切る。
町役場の組織運営では「失敗してもいいからどんどんやって。失敗しても得るもの大きいから、絶対どこかにつながるから、粘り強くやって」とメッセージを伝えている。「大体成功より失敗の方が多い。人生、多分ね。わたしも失敗だらけ」
〔横顔〕大島町出身。専修大商学部卒業後、78年4月に町職員に。地域整備課長などを経て15年4月に町長となり、現在2期目。趣味は読書で、明治以降の歴史に引かれるという。
〔町の自慢〕ジオパークに代表される自然、歌謡曲で有名な波浮の港、島の人の人情味。(2020/01/23-08:30)
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