サッカーでまちづくり=小嶋崇嗣・宮崎県新富町長

小嶋崇嗣・宮崎県新富町長

 Jリーグ入りを目指すクラブチーム「テゲバジャーロ宮崎」の本拠地となった宮崎県新富町。建設を進めるサッカー場のネーミングライツ(命名権)をめぐり、家庭用品大手のユニリーバ・ジャパンと連携協定を結んだ。同社に命名権を与える代わりに、町の宣伝や人材育成に協力してもらうという内容だ。小嶋崇嗣町長(こじま・そうし=48)は「町民と一緒にチームを育てるという新しい価値観を享受したい」と述べ、サッカーを中心としたまちづくりに期待を込める。

 スタジアム命名権は「広告料収入を得るだけでなく、町のPRにもっと使える」と着目した。対価として民間企業のノウハウを求め、昨年7月に連携協定を締結。同社の知見を参考に導入した職員の研修制度では、新人職員全員に指導担当を付け、業務面や精神面の悩みを相談できるようにした。指導に当たる職員には講習も実施している。

 一方、住民の反応は「ユニリーバに名前を売ったっちゃね」と冷めた様子で、小嶋町長は「仕組みを分かってもらえていないのは、行政の工夫が足りなかった」と反省する。今後は、町の特産品を使った製品の開発で技術提供を受けたり、同社商品のCM広告などを町内で撮影してもらったりするなど、町の活性化に生かしたい考えだ。

 就任以来、議員の定数削減や報酬増、職員の副業解禁などに取り組んできた。議員のなり手不足や地域の人手不足を解消するため、「広報や啓発ではなく、より実効的な方策を考えた」という。副業解禁によって職員たちは、地域で催される神楽の舞い手や、少年野球などの監督や審判として活躍中だが、それでも高齢者の買い物支援や有害鳥獣駆除では担い手がいない状況が続く。職員が地域で活動できる時間を確保するため、「6時間勤務や週4日勤務といった基準も考えていかないといけない」と、短時間労働の導入も視野に入れる。

 庁内改革も進めている。課長の決裁権限を10万円から100万円に引き上げ、職員自らの決断を促している。毎週の課長会も廃止し、「日常業務の中で情報共有ができて当たり前の役場」を目指す。責任を負わせる分、公益性や長期的な視点といった判断基準を明確に伝える。こうした対応によって業務遂行の速度が上がり、「職員の考え方が、がらっと変わってきた」と実感している。

 〔横顔〕町議会議員を経て2018年に町長に就任。バレーや柔道などスポーツ観戦が好き。高校時代は陸上部で800メートル走選手だった。2匹のトイプードルを飼う。

 〔町の自慢〕農畜産業が盛んで、1粒1000円の国産ライチも生産している。自身は「ウナギが超おいしい」と絶賛。航空自衛隊の新田原基地があり、ジェット機が飛び立つところを間近で見られる。(2020/01/14-08:30)

【トップインタビュー記事一覧へ】 【アクセスランキング】

特集

トップインタビュー

コラム・連載

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ