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地方議会、存続へ模索=兼業範囲を明確化-休日、夜間開催も・列島地方選2019

2019年03月08日07時22分

条例案を検討する高知県大川村議会の全員協議会。右手前は朝倉慧議長=1月16日、同村

 小規模町村を中心に地方議員の成り手不足が深刻化し、議会の存続が大きな課題になってきている。高知県大川村は、議員と他の仕事を掛け持ちしたい人が立候補しやすいよう、現行法で可能な兼業の範囲を明確にする条例を制定。一部の自治体は報酬の引き上げや休日・夜間議会の開催など議員活動をしやすい環境づくりに取り組んでいる。
 ◇規定緩和は断念
 大川村は2017年、議会を廃止し住民が直接議案を審議する「村総会」の設置の可否を検討した。2年後の村議選で立候補者が不足する事態に備え「現実に総会を開けるか」(和田知士村長)課題を探る狙いだった。その後、村民アンケートで議員確保の見通しが立ったことなどから検討を中断、村議会が新たに着目したのが議員の兼業制限規定の緩和だった。
 地方自治法は、中立性や公正性の観点から、自治体と請負関係にある企業・団体の役員らが議員を兼ねることを禁じている。朝倉慧議長は禁止の範囲が不明瞭で村民の立候補の妨げになっているとして「これは駄目、これは構わないということを明確にしたい」と主張。独自の条例制定に乗り出した。
 村議会は当初、村づくりに欠かせない公共性が認められる場合は、村からの請負額が事業収入全体の50%を超える法人・団体であっても兼業には当たらないと解釈する案を議論した。しかし、村と協議した高知県は、過去の判例などに照らして「どういった法人が該当するのかを条例で画一的に記載することは難しい」と説明。結局、この解釈を条例で示し規定を緩和するのは断念し、兼業可能な法人名を村長が毎年度公表する形とした。
 条例実現に和田村長は「扉を開いたのは大きい」と安堵(あんど)の表情を浮かべる。

議会の活性化について議論する北海道浦幌町議会の議員協議会=2018年7月(同議会提供)

 ◇身近な存在に
 前回15年の統一地方選で立候補者が定数に満たなかった北海道浦幌町議会は、議員10人の検討チームで成り手不足の要因を検証した。その一つの議員報酬については、本会議や委員会の出席日数に加え議案調査などの活動日数を踏まえ、町長の給与と比較。算定根拠を示して引き上げを提言し、報酬を増額する条例が可決された。
 「議員が町民と対話の機会を増やしていく中で見直しに理解を示してくれる人が増えてきた」(議会事務局)という。
 長野県喬木村は17年12月から、本会議の一般質問を土日に、常任委員会を平日夜に開催する「休日・夜間議会」の試行を開始。仕事を持った議員が活動しやすい環境を整えるとともに、平日や日中は忙しい住民も傍聴しやすくした。
 議会事務局幹部は「一朝一夕では成り手不足解消につながらない。住民と議会の距離を縮める努力が必要だ」と強調する。
 総務省によると、前回の統一選で行われた373町村議選のうち、立候補者数が定数を超えず無投票だったのは23.9%。少子高齢化や人口減少の影響もあり、成り手不足の打開策はなかなか見いだせない状況だ。
 山梨学院大の江藤俊昭教授は「まず議員の魅力を高めるために、議会が住民に身近な存在になることと、議会側から取り組みを発信する手法が必要だ」と話している。

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