食文化保護を優先=IWC脱退
2018年12月26日18時32分
国内外からの批判が予想されるにもかかわらず政府が国際捕鯨委員会(IWC)脱退と商業捕鯨の再開を決めたのは、鯨食という日本古来の食文化の保護を優先させたためだ。しかし、クジラの消費量はすでに低迷。国際機関からの脱退に伴う信頼失墜など、失うものに見合う成果が得られるのか疑問符が付く。
「他国の食文化に文句を言う国があるか」(二階俊博自民党幹事長)-。今回の脱退論議を方向づけたのは、捕鯨にゆかりのある地域を地盤に持つ自民党議員を中心とする捕鯨支持派だった。9月にブラジルで開催されたIWC総会で商業捕鯨再開が否決されて以降、「安倍晋三首相の了承も得ている」(別の自民党議員)と、脱退に向けての勢いは止まらなかった。
一方、貴重なタンパク源として1960年代には年間20万トンを超えることもあった鯨肉の国内消費量は、商業捕鯨停止後、数千トン台に縮小。食べたことがないという若年層も多い。大手小売店も反対派への配慮から販売には及び腰で、商業捕鯨再開により消費量が再び増えるかは不透明だ。
商業捕鯨の強行は反捕鯨国からの反発はもとより、日本国内でさえ、「国際社会で孤立に向かうきっかけになりかねない」(枝野幸男立憲民主党代表)と懸念の声が上がる。2020年東京五輪・パラリンピックに与える影響を指摘する声も多く、政府には国内外への丁寧な説明が求められる。(2018/12/26-18:32)
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