予防医療、楽観論けん制=費用抑制は不透明-財務省

 財務省が来週開かれる財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、予防医療が国民の医療費を抑える効果を今後編成する予算などに織り込むべきではないと提言することが3日、分かった。医療費抑制につながるという楽観論をけん制し、国民の負担増を伴う社会保障制度改革を継続すべきだと訴える。11月下旬にまとめる建議に反映させたい考え。
 予防医療は、生活習慣の改善や適度な運動を通じ病気を未然に防ぐほか、健康診断で病気を早期に発見し、治療に取り組むことなどを指す。
 予防医療の推進は、「人生100年時代」を掲げて社会保障制度改革に取り組む安倍政権の重要施策の一つ。5日に開かれる政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)でも議題となる見通しだ。
 経済産業省の「次世代ヘルスケア産業協議会」は4月、予防医療を実施すれば患者が減少し、60歳以上で見れば数百億円の医療費抑制につながるとの試算を示している。
 半面、有識者の間には「予防医療は病気になる時期を遅らせているだけで、生涯に掛かる医療費の総額は変わらない」という考えもあり、費用抑制効果に関する見解は定まっていない。
 高齢化が進む中、急増が見込まれる医療費の抑制は喫緊の課題だ。財務省は、予防医療への期待が膨らみ過ぎて財政健全化の機運が後退する事態を警戒している。(2018/10/03-18:03)

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