AKB48の今と近未来~「総選挙」の結果から~

人気は続くのか?

 総選挙終了後。囲み取材に応じた大島は「あっちゃんがいなくなってAKBが今後どうなるか、すごく不安でした」と、本音を吐露した。12年夏の東京ドーム公演は大きな注目を集めるのは間違いない。だが、それが終わり、直後に前田が卒業したら、AKB48の人気は続くのか―。前田の卒業発表以降、メンバーのみならず、AKB48の近未来について思いを巡らせる人は多かったのではないか。

 AKB48の人気を永続させるためには、選抜メンバーにとどまらず、より多くのメンバーの人気や知名度をさらにアップさせていくことが不可欠だろう。ただ、それは織り込み済みなのか、対策は既に講じられている。

 例えば、同年5月リリースの「真夏のSounds good!」を歌う選抜メンバーには36人が選ばれたが、そのうち15人は初めて「選抜」に入った次世代のメンバーだった。これだけの人数が初選抜というのは異例のことで、AKB48の新曲という晴れ舞台に一人でも多くの若手を上げようとの狙いが透けて見える。

 さらに、総選挙で64位までに入れなかったメンバー全員のソログラビアが、各種雑誌に掲載されることも決定。若手メンバーの特技・特性に応じてテレビ番組に出演させたり、本を書かせたりもしており、運営サイドの「露出戦略」に余念がない。

 こうした努力を重ねつつ、劇場公演や握手会、インターネットの交流サイト(SNS)などを通じて「会えるアイドル」という成功モデルを追求し続けられれば―。AKB48の国民的な人気は、高止まりして持続する可能性を大いに秘めている。(敬称略)

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ