AKB48の今と近未来~「総選挙」の結果から~

世代抗争の序章

 「成長過程を見守る」というファン心理が作動したとすれば、今回の総選挙でAKB48の若手の順位は上がったはずだが、果たしてどうだったか?

 若いメンバーの中では、11年6月に誕生したチーム4の顔、島崎遥香が23位に入り、演歌歌手としてソロデビューした岩佐美咲が33位。研究生の武藤十夢が49位に食い込み、チーム4の永尾まりや、田野優花らも名前を呼ばれた。

 一方、09年のオーディションで合格した「9期」以降の若手メンバーで、ランクインしたのは8人。フレッシュなメンバーの躍進は少なく、得票数の上では「若手が伸び悩んでいる」との印象が拭えない。

 そんな現状に危機感を持つメンバーがいた。「悔しい力を先輩にぶつけてきてください。つぶすつもりで来てください。私はいつでも待っています」。26歳でグループ最年長の篠田が、5位に選ばれた謝意をファンに伝えた後に発した言葉は、強烈なインパクトを残した。篠田をはじめ、劇場公演の観客が少ないといった不遇時代を経験した草創期のメンバーは、人気が確立された後でグループ入りした若手に物足りなさを募らせていたのかもしれない。

 この篠田の檄(げき)に触発され、次世代のエース候補の渡辺が「来年、1位を取りたいです」とアピール。指原も「私はもう弱音をはきません」と、後ろ向きな言動を繰り返して定着した「ヘタレ」のイメージ返上を宣言した。姉妹グループからも、MNB48の山本彩が総選挙後に「(篠田が)言って下さったからには行かせて頂きます」とブログにつづった。

 「世代交代」が大きな命題になるとみられた今回の総選挙は、振り返れば「世代交代の序章」という位置付けだった。おそらく開催されるであろう来年の総選挙に向けて、AKB48が発足時から目標としてきた東京ドーム公演と前田の卒業あたりを境に、姉妹グループを巻き込んだ世代抗争が本格化する予感がする。

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