今回、64位以内に入ったメンバーの顔ぶれをAKB48の43人に限って見渡すと、選抜メンバーに入ったのは、草創期から活動する知名度が高いメンバーばかりで、彼女たちの人気の根強さが改めて証明された形だ。
ただ、「女子高生のファッションリーダー」ともいわれる板野友美が2年連続で8位止まり。篠田麻里子や高橋みなみらも含めて、後輩の指原に順位を抜かれた。
AKB48を応援するファン心理の特徴は、「応援するアイドルの成長の過程を見守ろうとする」ことだとされる。そして、古参のメンバーの多くは成人し、アイドルとして「高み」に達した感がある。24歳の小嶋陽菜が速報で11位と出遅れてしまったのは、自身も語ったように、「こじはるは(人気があるから自分が投票しなくても)大丈夫そう」とファンに思われたからだろう。
今回の選挙結果では、「苦労人」のランクインが目に付くことも傾向の一つとして挙げられる。例えば、16位に食い込んだ梅田彩佳は、過去に足のけがで長期休養を余儀なくされた経験を持ち、11年の総選挙では21人の選抜メンバーに一歩及ばず22位だった。
一方、過去3回は名前が呼ばれない「圏外」に終わり、その立場の思いを「非選抜アイドル」という本にまとめた仲谷明香が、36位に初のランクイン。「『本を読んで投票したよ』と言ってくれた人もいた」という。そして、51位の菊地あやかはAKB48を一度離脱し、その後に研究生として再スタートして正規メンバーに復帰した苦労人だ。
「アイドルに共感する」。そんなAKBファンのもう一つの側面が、今回の総選挙からうかがえる。いずれにせよ、ファンがメンバーの個性や動向をよく見ていることは確かだ。
新着
会員限定