ソチ冬季五輪の舞台、ロシア南部ソチ。五輪のために新設された近代的な鉄道駅のプラットホームで、大会支援のボランティアの若いロシア女性の一行に出くわした。
その胸には「FREE HUGS」(無料でハグしていいわ)の文字が…。「ソチに来た外国人に歓迎の気持ちを示すにはハグが一番と思ったの」とリーダー格のナターリアさん(23)。これもソチ流の熱い「お・も・て・な・し」か。日本から乗り継ぎも含め20時間かけ、疲労困憊(こんぱい)してたどり着いた身には、その気持ちは涙が出るほどうれしい。
しかも彼女らはいじらしいほど真面目だ。どのようなボランティア活動を行うかを自分たちなりに真剣に考えた結果、「ハグ」となったらしい。
ロシア政府は五輪運営支援のため、ロシア中から約2万5000人のボランティアを動員した。ソチの空港のロビーでも、カラフルなジャンパーを着たボランティアを30人ほど見かけた。外国人には笑顔で「お手伝いしましょうか」と声を掛けるし、タクシー乗り場にも親切に案内してくれる。
五輪公園のメディアセンターで働くベロニカ・イワノワさん(36)は車いすの身障者で、モスクワから来た。ボランティアに応募した動機を尋ねると、「ロシアで大切な祭典が開かれる時にささやかでも貢献したかった。この機会を逃したら自分を許せなかったでしょう」と話した。ロシア初の冬季五輪は、笑顔と真面目さを持ったボランティアに確かに支えられている。(ソチ時事)
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