わたしは日本でナンパされたことはない。しかし海外では意外ともてるのだ。これ、ちょっとした自慢。当然、ロシアでもナンパされた。
ある日、バラを手にしたマッチョなお兄さんがすれ違いざまに突然、「電話番号教えろ」と声をかけてきた。最初は何かの勧誘か押し売りかと思い、「持っていない」と言うと、自分の電話番号を書いて渡してくる。「電話して!」と、めっちゃ笑顔で言われ、最後は投げキッスだ。すごい。わたしはロシア美女を撮る使命を抱えていることだし、「声かけ用」の助手に雇いたいくらいだった。
ロシアの田舎町・アドレルにも美女はたくさんいる。しかし、写真を撮らせてくれと頼んで気軽にOKしてくれる人はかなりまれだ。少し会話をしてからお願いするか、歩いている人を無断で撮るか、の選択肢になる。なるべく笑顔のかわいい写真が撮りたいので声をかけてから…などと悠長に構えていたら、ほとんどカット数を稼げないまま帰国日を迎えてしまった。朝早く起き、町中をウロウロしたが、若くてかわいい美女はなかなか見つからなかった。
時間もなくなり、仕方がないと日本での言い訳をたくさん考えながら空港へ向かった。ところが、そこにはあちらにもこちらにも美女(あくまでも私見)がいるではないか。次から次へと声を賭けまくった。
「ズドラ―スト ビヴィーチェ フォト オーケー?」
「ダ(イエス)」
ビバ! ソチ空港。
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