コーカサス地方とクバーニ地方の文化的影響を受けたソチには、独自の料理がいくつかある。もっとも有名なのは、シャシリクと呼ばれるバーベキュー・串焼き肉だ。サイコロ状の肉を串に刺し、それぞれの店のオリジナルのタレに漬け込んだ後、コンロの上であぶり焼きにする。
ビーチ沿いではバーベキューグリルを備えた店をたくさん見かけた。香ばしい香りに誘われて、牛肉のシャシリクを食べてみた。味がしっかりしみこんだ肉は歯ごたえも柔らかくておいしい。黒海を眺めながらビール片手にほおばる。最高だ!堪能した。酒池肉林、ならぬソチ肉林。女のわたしが言うのもなんだけど。
今までロシア人しか相手にしてこなかったためか、アドレルのレストランには英語のメニューがほとんどない。そのため、ロシア語メニューをギャンブルで注文するか、隣で食べている人のものを指さすかのいずれかだ。しかしこの方法では自分が本当に食べたい料理はいつまでたっても味わえない。
そこでおすすめなのが、スタローバヤと呼ばれる安くておいしいロシア料理の大衆食堂だ。ここは学食と似たシステムで、まずお盆とナイフやフォークを取り、保冷棚に置かれたサラダや前菜を選ぶ。次に、たくさん並べられたスープやピーマンの肉詰め、トマトとナスのせステーキなど、自分の食欲をそそるおかずを指さし盛りつけてもらう。必死のジェスチャーがあれば量を調整することも可能。あとは飲み物を選び会計するだけ。ビーチ沿いに何件もあり、自分好みのお店を見つけるのも楽しい。
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