年間平均気温はほぼ20度。降雨量は沖縄よりも少ないロシアきってのリゾート地、それがソチだ。オリンピックが行われる2月の平均最高気温も10度くらいはあるという。
だが、温度差はかなりある。わたしが行った10月中頃も、日中、太陽の日差しが強いと汗ばむほど暑く、シャツ一枚でも過ごすことができるが、朝晩はコートが必要なくらい冷え込み、吐く息も白くなった。
ビーチには、去り行く夏を惜しむように日光浴を楽しむ人が大勢いた。午前中は、トドの群れと見間違えそうなほど、お年を召した「ふくよかな」男女がゴロゴロ。昼すぎには学校帰りの子供を連れたママやカップルもチラホラやってきた。ビーチには更衣室があまりないので、おばちゃんたちは屋外で着替えることが多い。あちらこちらをあらわにし、女のわたしが気を使うくらい大胆に着替える。ある意味、大阪のおばちゃんよりすごい。
2014年のオリンピック、15年のF1グランプリ、18年のサッカー・ワールドカップと、これから大きなイベントをいくつも迎えるロシアは、どこもかしこも工事中。空気が常に乾燥しているので、舗装されていない道を工事車両が走れば、否が応でも土埃が舞い上がる。風の強い日には視界が悪くなるほどだ。飛んできた砂が目に入るので、コンタクトをしているわたしは目が痛くて開けていられなくなる。「鼻や耳の産毛には意味があるのだ」と認識させられるほど、どこもかしこも真っ黒。
うわさで聞いた通り、野犬もたくさん見かけた。日本でたまに見るような中型犬ではなく、ドーベルマンやシェパードなど、本当に野犬なのかと疑いたくなるような犬種が首輪もせずにウロウロ。日本メディアで襲われた人もいると聞いていたので、犬が近づいてくると身構えてしまうが、だいたいは害もなく、ダラ~と情けない格好で寝ていて、少しうらやましい。
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