モスクワでの乗り換え時間を含め、約16時間のフライトを終えてようやくたどり着いたのは、ソチ中心部から南東へ約30キロ離れたアドレルという町。開会式も、閉会式も、ここにあるオリンピック・スタジアムで。知らなかったでしょ?
ソチとアドレルは何が違うのか。まず距離が約30キロ離れている。アドレルにあるホテルの住所に「Sochi」という単語は出てこない?一体どういうことなのか、モスクワ支局の記者に聞いてみた。
「ソチの行政単位などを説明すると1時間くらいかかってしまうのですが、簡単に言うと、ロシア南部のクラスノダール地方の中にソチがあり、ソチの中に『アドレル地区』『クラスナヤ・ポリャーナ地区』があるというイメージ」とのこと。
よく分からないが、アドレルもソチであることに違いはないらしい。しかし、ソチ駅のあるソチ中心部では競技が行われる予定はない。ソチ港前にカウントダウン・クロックがあるものの、ソチ五輪を強烈にアピールする看板などは特になく、オリンピックに対する熱気や期待感はあまり感じられなかった。
どちらかといえば「アドレル五輪」といった趣だが、「ソチ五輪」でも、まあ、いいのか。避寒地、リゾート地であるソチの名前を、世界的に広めたいのだな。長野五輪の時に、スキー系は長野市内でなく白馬でやったようなもの。千葉の浦安にあるのに「東京ディズニーランド」と言うのにも、なんとなく似てるかな。
選手はもちろん、オリンピックを取材するメディア、日本から観戦に訪れるツアー客の80パーセント以上は、ここアドレルに滞在するという。わたしも、この町を宿泊先に決めた。ホテル代は1泊2200ルーブル(約8千円)。朝食付きだ。この辺りではまずまずのクラス。取材基地としては申し分ない。
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