選手名(ふりがな) | 性 | メダル | 競技 | 種別・種目 |
---|---|---|---|---|
渡部 暁斗 (わたべ・あきと) |
男 | 銀 | ノルディック複合 | 個人ノーマルヒル |
ノルディックスキー複合個人ノーマルヒルの表彰式後、銀メダルを手にする渡部暁斗【時事通信社】
最後はフレンツェルに届かなかったが、渡部暁が銀メダルを手にした。後半距離でゴールした直後、少しだけ右手を挙げて歓声に応えた。
前半飛躍は会心のジャンプで2位。思わず拳を力強く握った。「飛んだ瞬間、もらったなと思った」。今季、なかなか定まらなかった助走姿勢が、大事な場面で完璧に決まった。「本番に強い」という自己分析通りだった。トップのフレンツェルとは6秒差、3位のクリモフ(ロシア)には21秒のリードを得ていた。
勝負を懸けた後半距離。開始3分ほどでフレンツェルに追い付き、後続とは距離を置く理想の展開に持ち込んだ。互いに何度か先頭に立ちつつ、残り1キロを切った緩やかな下りのストレート。細くきついカーブが続く競技会場に入る直前、ここしかないというポイントで、スパートをかけたフレンツェルに抜かれた。必死で追ったが、ライバルの背中はどんどん遠のいていった。
ノルディックスキー複合個人の後半距離、ドイツのエリック・フレンツェル(左)を追う渡部暁斗【時事通信社】
25歳にして、3度目の五輪。06年トリノ大会に高校2年で初出場し、10年バンクーバー大会は個人ラージヒルで日本勢最高の9位。その後も、五輪の複合個人で日本勢ただ一人のメダリスト、河野孝典コーチの助言を受け、精進を続けた。
外国勢と比べて体格やパワーが劣る分を、人一倍の努力で補ってきた。昨季終了後、距離の終盤で競り合う力が足りないと自覚すると、数十万円もするロードバイクを購入。週1、2回ほど、100キロのコースを走って鍛え抜いた。
長野五輪以降のルール改正もあり、低迷が続いていた日本勢にとって20年ぶりの五輪メダル。頂点は逃したものの、複合ニッポンの復活を強く印象付けた。
新着
会員限定