ソチ五輪2014

2010年 バンクーバー五輪 銀メダリスト

選手名(ふりがな) メダル 競技 種別・種目
浅田 真央
(あさだ・まお)
フィギュアスケート 女子シングル

銀メダルの浅田真央【EPA=時事】

 ショートプログラムで1度決めていたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をさらに2度成功させたのに、金メダルを逃した。浅田真央は「やってきて良かったと思う」と言いながらも泣いていた。女子で世界初の快挙。「誇りに思いたい」と言った顔は、むしろ悲しそうだった。

 譲れない大技だからこそ偉業に挑んだ。1本目はきれいに着氷し、降りた瞬間に少しぐらついた2本目も、耐えて2回転トーループへ。3発3中。それでも金メダルの金妍児には遠く及ばなかった。

 演技後半に珍しいミスをした。単発の3回転トーループを跳ぼうとしたら振り上げるかかとの刃が氷に引っ掛かり、1回転になった。足にきていた。トリプルアクセルへの体力的、精神的な負担は否めなかった。

 今季序盤は極度の不振に陥り、懸命に復活を目指してきた。大技を三つ決めて取った銀メダルには価値があるのではないか―。心情を察したそんな問いかけにも、すぐに言葉は出てこない。ようやく涙声をのみ込むように「でも悔しいです。はい」と答えた。純粋に、勝ちたかった。

フィギュアスケート女子フリーで演技する浅田真央(カナダ・バンクーバー)【時事通信社】

 五輪で宿敵に敗れた借りは、他の舞台では返せない。「この試合はもう終わってしまっている。このオリンピックという場所なので」。うまく気持ちを表せなかったが、かけがえのない地で勝てなかった悲しさは、伝わった。

 一つの大技より完成度の勝負だった。負担の大きいトリプルアクセルに精力を注いだ浅田が勝てる戦いではなかったのかもしれない。でも「すごく重たい」と感じた銀メダル。それを手にした戦いには、アスリートとして挑もうとした跡が、はっきりと刻まれた。

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